海洋工事

ケーソン据付

Caisson installation

陸上で製作されるケーソンは、完成後海上に進水します。ケーソン内部が中空構造になっているため、多くは船のように浮かせて、曳船や押船を用いて据付場所まで曳航します。ケーソンの据付方法としてはウィンチを用いた据付方法と、起重機船を用いた据付方法などがあります。ケーソンの据付位置が決まると、予めケーソンに設備されていた水中ポンプで、中空内に海水を注入し、ケーソンを着底させます。 また、現場条件に応じて、大型起重機船でケーソン本体を吊上げたまま、起重機船ごと据付場所まで曳航する場合もあります。

消波ブロック据付

Wave dissipating block installation

沖合に設置されている防波堤や、太平洋・日本海に面する地域では、毎年来る季節風や台風などの大型低気圧に伴う波浪から、港や各港湾設備等を守るために整備されています。日本海側では特有の断続的な冬季波浪を受け続ける事で、防波堤本体にも破損などの影響を及ぼすため、防波堤の前面側に、波浪のエネルギーを減衰させる消波ブロックを据付ます。太平洋側では大型低気圧に伴う波浪から、主要道路などの浸食を防ぐため、海岸沿いに消波ブロックを据付けます。地域により消波ブロックの規格は異なりますが、冬季波浪などの影響を受けやすい地域においては、80t型消波ブロックが採用される事があります。そのような場合は、作業能力・作業半径を考慮し、大型の起重機船の選定が必要になります。

機械式(重錘式)基礎捨石均し

Mechanical foundation riprap leveling

防波堤や離岸堤などの捨石基礎マウンドの築造において、基礎捨石表面の不陸を、起重機船に搭載した重錘を自由落下させ、基礎捨石の水中均しを行うものです。基礎捨石表面均しは従来潜水士によって行われてきましたが、潜水士による作業においては、透明度・海象・潮流などに大きく影響を受けます。しかし、機械式(重錘式)基礎捨石均しであれば、透明度・水深・潮流などに影響される事なく、またより安全に作業を行う事ができます。

浚渫

Dredging

浚渫工事とは、港湾・河川・運河などの水底を浚って、土砂などを取り除く事をいいます。航路や泊地の安全な水深を維持する為に、海底を掘下げる浚渫や、増幅・増深するための改良浚渫、また水中構造物(防波堤等)の基礎床堀の浚渫など、港湾土木工事において、浚渫は欠かす事のできない重要な工事です。